名言至言⑧
   白鳥は かなしからずや 空の青 
           海のあをにも 染まずただよふ


                                                若山 牧水

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       Wikipediaより引用

 若山牧水は旅情、詩情のあふれる明治の歌人ですから、この歌(うた)も「短歌観賞」として扱えばよいのかも知れませんが、私は「名言至言」として説明してみます。
 一首の意味ですが、「白鳥」は、「しらとり」でカモメでも白鳥でも構わないと思います。
 「かなし」は、現代語として言えば、(切ないほど)をつけて、「切ないほど悲しい」というくらいの意味です。
 あえて「名言至言」として強調することは、語句のひとつひとつではなくて、周囲の「空の青」「海のあを」にも取り込まれることなく、くっきりとその身を独立させた「孤高」の姿なのです。
 他人と違うことを主張したり、他人に指弾されたとしても、不合理ではないとする自らの信念を保つことは大切なことです。
 「ただよふ」ということは、自信なくうろつくことではなくて、自由自在に風の中を 波の上を行く様(さま)を言います。
 「かなしからずや」は「孤高」「独立」を貫く「苦難」「苦行」に対して、切なくも不倒不屈の感情に耐えられるのか、いや耐えているのだということです。
 私は、最近この牧水の歌がよく頭に浮かびます。



    
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