『NHK スペシャル』
  「終の住処はどこに-老人漂流社会」②

  私の「判定」はNHKに。


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   高齢者住宅新聞2013.2.6発行より


 前回のブログで浅川氏が「NHKスペシャル」に「かみついた」と書いたのは、浅川氏が記事の末尾で「NHKは終の住処はどこにではなく、終の住処はサ高住でと タイトルを改めるべきだろう。」と言いきっていることからです。
 そこで私の「判定」のポイントは浅川氏も言っておられるとおり「サ高住は自宅と同じ住宅である」であれば、介護度が進んだ状態の目安として、日常の「自立度」を確認する項目として
   ① 朝、一人で起きることができるか?
   ② 着替えを自分一人でできるか?
   ③ 食事を自分一人で食べられるか?
   ④ 入浴が一人でできるか?
   ⑤ 一人で就寝できるか?
 以上のような項目がもし、入居者に「できない」として複数あるならば、客観的に見て、介護保険の「在宅3サービス」(訪問介護、デイサービス、ショートステイ)を くまなく使ったとしても、これらのサービスは24時間、365日のサービスではなくて、予約が前提で、しかも回数も制限されている「こま切れ」サービスですから、もし一人暮らしであれば、とてもサ高住では生活していけないでしょう。
 ですから、これらが目安となる介護3くらいになったら、サ高住には「いられなくなる(出なければならない。あるいは出た方が良い。)とすることは「順当」な言い方だと思います。(つまり、NHKの言い方は「順当」である。)
 もしそれでもサ高住にとどまろうとするなら、介護保険外の100パーセント自己負担(介護保険適用は10%負担)で上記のような項目のうち必要なサービスを毎日とらなければなりません。
 介護度が進めばたくさんの項目の介護を自費で毎日のようにとらなければなりません。
 そうしたなら、たちまち多額の負担が(おそらく月額 数10万円)のしかかってきます。もはやこれは市民の「順当な」暮らしとは言えません。
 もはや365日24時間定額払いのサービスのあるところ、すなわち「特養」などへ移らなければならないと言うべきです。
 以上のようなことを考慮すれば浅川氏が言われるように「医療ケアが必要になっても、訪問診療や訪問看護を活用すれば自宅で暮らし続けられる。」とすることは、「無理」と言うべきです。
 さらに浅川氏は「認知症が進行するなど重度になっても同様である(サ高住に住み続けられる)」と追い打ちをかけます。でも、やっぱりとうてい「無理」です。
 もちろん、「無理」ですというのは、制度上でサ高住の事業者が「退去を迫る」ということではありません。常識的な判断で「無理」だと言っているのです。
 これは、新潟市内のあるサ高住を経営している同業者にも聞いてみましたが、やはり同じことを言っていました。
 でも、事業者が入居者に「退去を迫っている」ということとはニュアンスが違います。

 さて、ここまで書いてきて、ちょっと長くなったなと思いますので、明日のブログ③では、私の「判定」が客観的な資料(後出 WAM)で、少なくとも現在のところ「順当」なものだと「証明」しましょう。
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       独立行政法人福祉医療機構 発行 WAM 2013.2月号
         「特集」サービス付き高齢者向け住宅のこれから

          
 さらに明後日のブログ④では、サ高住運営の「先駆者」として「見事に」常陽会がこの問題をクリアしていることを書いてみたいと思います。
 また、乞うご期待です(笑)



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