「あなたは誰から介護を受けたいですか?」


 「あなたは誰から介護を受けたいですか?」

 「あなたの介護は誰がするでしょうか?」

 この2つの問は似ていますが、微妙にニュアンスが違うようです。

 さらに、

「あなたの介護は誰がすることになるでしょうか?」

 と問うたらどうなるでしょうか。

 以上のような問いかけは、昨日の私のブログで書いた、10年前の

「アンケート」にもありました。

 そこで、私が感じたことは、10年前の時点では世代的な違いがはっ

きりしていたことでした。

 まず、私を含めた戦後の、いわゆる団塊の世代とされる昭和22年

~25年くらいの生まれの人たちを境にして、考え方が全くと言ってい

いほど違います。

 ①団塊以前の人たち

   親の介護は子供がするのは当然であるし、長男の妻は一家の

   嫁なので、長男の妻が会社に勤めているのなら、そこを辞めて

   までもまず、するべきである。

 ②団塊の世代の人たち

   親の介護はしようと思うし、しなければならないとも思うが、自分
 
   の介護は、子供や子供の妻からしてもらおうとは思わない。

 ③団塊の世代以降の人たち、というより団塊世代の2世、
                               ジュニアの人たち

   親の介護はできないし、無理でしょう。

   どうぞ、親は自分達の資産は消費しても良いから(遺産など残さ

   なくても良いから)自分達のことは自分達でやって、子供の私た

   ちに「負債」を回さないでほしい。

 ということです。

 以上のことは10年前の「情勢」でした。

 その証拠的な文献として、

 「母に襁褓をあてるとき――介護闘いの日々」
                         舛添要一著 1998年刊
 

    ※【襁褓(むつき)とはおしめのことです】
     この本の中で舛添氏は家族介護の葛藤からか、家族介護の
     限界を感じて「介護はプロの手で」と書いています。

 「私、親の介護はできそうもありません
              -あなたも親も救われる55の知恵」 
                         池田武史著 2000年刊
 

    ※この本の中で池田氏は、介護が「愛情」だけでなされることに
     「重さ」を感じて、介護の「作業」の「換金」性を指摘したものと
     も評価され、介護保険導入の時代を先読みしたというべき内
     容でしょうか。
     「そうです、介護はお金で買うんです」と書いています。

 介護に対する考えは時代によって変わります。

 さて、現時点ではどんな「情勢」なのでしょうか。

 この問題の「情勢」の変化には、2000年を境にして、同年に発足し

た「介護保険」が大きく影響を及ぼしてくることになると思います。

 明日は、この 「介護保険」 のことに触れてみましょう。



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