北海道から嫁いできた花嫁 


 私は、以前はよく北海道に行っていました。

 会議や旅行などが毎年のようにありました。

 その折、すずらんの苗を買ってきたことがありました。

 庭の片隅に植えておきましたが、「気持ち的」にはすっかり忘れてい

ました。

 昨年あたりから急に注目して見るようになりました。

 いつの間にか、20株くらいに増えて、小さく群がるようにして生えて

います。

 今朝も立ち止まって見ると、濃い緑色の「単葉」に、まるで両手に優

しく包まれるようにして白い可憐な、その名のとおり鈴のような花が

咲いています。

 忙しくしている毎日の中で、北海道のことなど思いだすこともなかっ

たのに、清らかな葉を、五月のさわやかな朝の風が渡るところを見る

と、しみじみと懐かしく、北海道のさまざまな情趣が思い起こされま

す。

 春も 夏も 秋も 冬も、北海道に行っていたんだなぁ、とその時の風

景や行動が思い出されます。

 厚く濃い緑の葉の、自然の模様が美しく見えて、そこに大切にしま

われているように、少しうつむいているのかなぁ、と思われつつも、凛

として咲く純白な花は、まさしく高貴な艶を持った「蘭」です。

 思わず、「乙女」の気高さを感じます。

 こんな庭にもったいないとも思います。

 過分にも、北海道からいただいた花嫁に目見えている気持ちになり

ました。



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