昔 操(と)った杵柄(きねづか) (その1) 


 昔 操(と)った杵柄(きねづか)とは、「過去に鍛えた腕前」「昔、修練

した技術」という意味です(広辞苑)。

 もう少し、部分的なところからいうと、操(と)るとは、物などを「取る」

ではなく、道具や器具などを使う、操(あやつ)る、さばくという時に使

います。

 また、杵柄(きねづか)とは、道具、器具の代表的な例えとして言っ

ています。

「杵(きね)」は餅(もち)をつく時などに使います。

 今でも餅屋さんが「杵つき餅」などと言いますが、機械ではなく、手で

ついたことを強調しているわけです。

 「柄(つか)」は、道具で手に持つ部分を言います。

 例えば「刀の柄」などと言いますね。

 杵も柄も、いずれも手で操作する器具です。

 ところで、私たちのところのご入居者様、ご利用者様の中には、若い

頃に鍛えた腕前を、誇らしくお持ちの方々がいらっしゃることと思いま

す。

 例えば、身近なところでは、笹団子や粽(ちまき)を作る腕前です。

 新潟では、昔は、笹団子や粽(ちまき)などは、どこの家でも5月の節

句や、下越の「蒲原まつり」(7月1日から3日間、6月30日は宵宮(よみ

や)です)などになると、とってもたくさん作ったものです。

 お菓子などあまりなかった時代ですから、家族もたくさん食べまし

た。

 作るのも楽しみ、食べるのも楽しみでした。

 今の若い人たちは、もはや笹団子も、粽(ちまき)も、とても作れない

でしょうね。

 昔は粽(ちまき)の作り方など、子供心によく習ったものでした。

 当時としても、技術のいるものでした。

 私の年代の人などでも、もう忘れてしまって、きっともう、作ることな

どはできなくなってしまっているでしょう。

 「絶滅技術」ですね。(笑)

 ところが、色々な記憶などを忘れてしまっている認知症のお年寄りな

どに、昔盛んに作ったりしていた、笹団子や粽(ちまき)を作ってもらう

と、記憶よりも手が覚えているのでしょうか、それはそれは上手に作っ

てくれるそうです。(まさに昔習熟した作業、昔 操った杵柄ですね。)

 なによりも、その表情や動作が生き生きしてくるそうです。

 私は、この季節に思うのですが、来年には準備をしておいて、「でき

る」お年寄りから、思う存分腕を振るってもらって(作ってもらって)、た

くさんできたものを各施設の、ご入居者さまやご利用者様に配って、

食べてもらったらどうか、と思います。

 さぞかし、作って下さったお年寄りには満足感が、それをもらって食

べたお年寄りには、珍しいものをいただいたという喜びが沸いて、皆

さんに好評を博(はく)すのではないでしょうか。

 ※明日は私の「昔操った杵柄」をご紹介いたしましょう。



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