薬師寺東塔(とうとう) ・・・会津八一歌碑


あまつ
あまつ歌碑


       すゐえんの あまつをとめか ころもての
                ひまにも すめる あきのそらかな
                                    八一

 
 会津八一は新潟が生んだ特級の歌人です。

 新潟の人はもっともっと誇ってよい人です。

 すべて、旧かなづかいで書かれているのが特徴です。

 旧かなで習わなかった、戦後生まれの私などには読むのに難渋(な

んじゅう:すらすらと事が進まないこと)します。

 でも、読み終えて理解を得た時には感動と喜びがひときわ広がりま

す。

 上記「すゐえん」の歌は有名な一首です。

 私は最初にどこで見たのでしょう。

 歌碑ではなくて、拓本(たくほん)かなにかだと思います。

 たどたどしく文字をたどってようやく読めて、最後にどんでん返しの

ように、パッと情景が広がった時には、なんとも言えない大きな感動が

体を走ったことを覚えています。

 さて、私がこの歌を最初に読んだ時の様子はこんな風でした。

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   「すゐえんの」 ナンダコレハ?

   「あまつおとめが」 アア、天津乙女カ、天女ノコトダナ
 
   「ころもでの」 ころもでの・・・「衣手の」ダ、ア、ソーカ「すゐえん」
   
   ハ「水煙」ダ、塔の先端に立っているあの「水煙」だ

あまつ水煙
あまつ東塔


   「水煙の」「天津乙女が」「衣手の」 ソレカラ、

   「ひまにもすめる」・・・コレハ、隙(ひま:すき間)にも澄めるだな

    と、すると「水煙の天津乙女が衣手の隙にも澄める」・・・

   ソレガドウシタ?大キクデタナ、ワカッタ、ワカッタ

   「あきのそらかな」ハ「秋の空かな」ダ、 エッ、キターッ!

  この時、私の目の前には、天女の衣手の隙間(すきま)をズームレ
  
 ンズのように通りぬけて、真っ青な秋の空がぱあーっと広がります。

  その衝撃で私は難解な暗い迷路をようやくに通り抜け、眩しい日
 
 の光にさらされた出口に立ったような、喜びと感動にしびれ、そのあ

 と、えも言われぬ恍惚感に浸ります。(落差の大きい、見事な「起承
 
 転結」なのです)

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 と、このようにして「解読」した経験から、私は一生この歌を忘れられ

ないのです。

 この感動の戦慄は、一生忘れられない男性を知った時の女心に通

じるものでしょうか(笑)



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