ずくなしの花(タニウツギ)


0611ずくなしアップ

 この土日、妙高に行ってきました。

 上越から妙高に入って行くと、道の両側にところどころ、枝にピンク

や白が混じったような小さな花がびっしりと着いて、花房のようになっ

て咲いている、丈の低い木が木叢を(こむら:木が群がり茂ったところ)

作ったところがあります。

 山中に楚々(そそ)として咲いている風情はいかにも純朴で、一枝折

って家に持ち帰って花瓶に挿しておきたくなります。

 この花の名は、「ずくなしの花」といいます。

 ところで、「ずくなし」とはどういう意味でしょう?

 「ずくなし」は方言ではないようです。

 広辞苑を引くと、【ずくなし:役に立たない者。怠け者。不精者。】と出

ています。

 しかし昔は、この言葉は、甲斐性がないという意味にも使っていまし

た。

 例えば、「オレが ずく が無いから家族にうまいもんのひとつも食べ

させてやれない」、「あんな ずく の無い男だとは思わなかった」など

です。

 でも、そんな「ずく無し」と「ずくなしの花」はどんな関連があるので

しょう?

 ここからの解説は広辞苑にも書いてありませんから、私がします。

 先程も書いたように、この「ずくなしの花」には独特の風情がありま

すから、つい切り花のようにして家の花瓶などに挿して飾りたいと思う

のですが、そうするとたちまち枯れてしまうのだそうです。

 その理由は、茎が水を上げられないためだそうです。

 つまり、水を上げる能力がないのです。

 そのほかの色々な草木にある能力が「ずくなし」にはないのです。

 だから、「ずく無し」なのです。

 私はこのような話を聞いた時に、この「ずくなしの花」が愛おしく、ゆ

かしく思えたので、園芸屋さんに頼んですぐさま取り寄せて、私の庭

に植えました。

 今では、わが家の塀を乗り越えるようにして、毎年初夏の今頃に花

を咲かせてくれます。(末尾の写真をご覧ください)

 もとは山間に咲いている花なのに、私はこれを平場の私の庭で毎年

観賞しています。

 「庭木」としては位置づけられないので、市街地の個人の庭で植えて

いる人はまずいないでしょう。

 まるで、遠い山間地から、私が自分だけの欲望で拉致してきたみた

いです。

 私は「人さらい」ならぬ「花さらい」になったような気分で、今日も眺め

ています(笑)


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