世界 物語③ 
     青年はいたずら好き?人魚の受難!
 


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人魚の像です。見る角度によって感じが違います。光線によっても違います。

 昨日のブログでデンマークのコペンハーゲンの女性の日光浴のこと

を書きましたが、その時、関連した資料を見ていたら、同じコペンハー

ゲンの有名観光ポイントとして、人魚の像の写真が出てきました。

 人魚の像は私も見に行きました。

 実物は思ったよりも小柄で、日本人女性が岩の上に横座りに座った

くらいの大きさです。

 黒い像です。

 とても愛らしく、まるで海中から陸に上がっただけで、恥ずかしく、う

つむいているような像です。

 別に表現したら、高貴なお嬢さまの風にも見えます。

 ところが、この「秘蔵っ子姫」の身の上にとんでもないこと?が起こっ

たのです。

 ある朝、夜明けとともに「秘蔵っこ姫」の姿が現れると、一体誰の仕

業でしょう、な、なんと、昨夜、夜陰に乗じて、姫さまの御胸(みむね)

には白いブラジャーが、そして姫さまの御腰(みこし)にはこれまた白

いパンティーが白いペンキで描かれていたのです。

 まるで姫さまの裸身を大勢の観光客の目にさらしておくのが忍びな

かったかのような所業です。

 もちろん、すぐに当局によって復元されたということです。

 ところで、この国、デンマークの人たちは、とりわけ若者は、というこ

とでしょうか、なかなかいたずら好きのようです。

 実は私はある時、偶然、目撃をしてしまったのです。

 私は外国の街に行くと、いつも早朝の散歩に出ます。

 未知の街を一人で探検するように歩いてみます。

 そうすると、様々なことに遭遇することがあります。

 コペンハーゲンのチボリ公園の前の通りは、幹線道路として大通り

です。

 もちろん、歩道も広くついています。

 早朝、ちらほらと早出出勤の通勤者が通ります。

 ところが、ここに、未明まで飲んでいたのでしょうか、青年たち3人が

見るからに緩慢(かんまん)な足取りで歩いて来ます。

 その反対側向こうから、若いお嬢さん風できりっと身を固めた女性

が、出勤途上のしっかりした足取りで歩いて来ます。

 両方の男女たちはちょうど私のいる歩道のあたりですれ違います。

 すると、青年のうちのイケメン風のリーダー格の男が、ゆるんだネク

タイを直しながら、その若い女性に話しかけます。

 「おはようございます、僕たちは今、駅を探しています。教えていた

だけませんか?」

 お嬢さんは最初、3人の酔っ払いのような男たちに話しかけられて、

一瞬緊張したようでしたが、ここはもう朝になった明るい天下の往来

です。

 近くには私のような通行人も立っています。

 すぐに自信を取り戻したようにして答えます。

 しかし、苦笑いを浮かべて、(私を朝からからかっているのね)という

風に、「私も通りすがりで、不案内なのですが、駅はあそこにあるのではないで

しょうか。」と言って、すぐ横の建物を指差します。

 そうです、ここは駅前広場のまん前なのです。

 しかもれっきとしたコペンハーゲン中央駅です。

 現地の人なら誰知らぬ者があろうはずはありません。

 3人の青年たちは冗談を言って、お嬢さんに話しかけるのが目的だったのです。

 3人の青年たちは「ありがとうございました」と、丁寧に礼を言って、

お嬢さんの後ろ姿を見送りました。

 お嬢さんはつんとすまして行ってしまいました。 

 もちろん後ろなど振り向きません。

 私は映画のワンシーンのようにして見ていました。

 そして、思いました。

 まあ、こんな国なら人魚像もあんな難に遭うわなあ、と(笑)


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チボリ公園です。この公園のすぐ隣はコペンハーゲン中央駅です。

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